この記事では、加減し適応する方法を私自身がどう学び、それがBaseworks技法開発にどのように大きな影響を与えたかについて語ります。
私は人生をとおし、自分自身のパーソナルな成長の探求に多くの時間を費やしてきました。方法としては特定の動きの練習、心理的熟考の研究、食生活の実験を繰り返すことによって行われ、これらはすべて、忙しいソーシャルライフと沢山 国外を旅することに影響されたのです。
多くのことが起きていたため、これらの様々な体験を自分なりに処理するときに絡れ合うこともあり、結果として多くのことが効果的に吸収されず、時には疲れたり、神経過敏になったり、興奮したり、バランスを崩したりしていました。これは主に、数多くのことが起きていたため、異なる体験から休息をとり、回復し、熟考し、それらを吸収する余裕がなかったことが主な要因ではないかと思います。
そしてこれを補い軌道修正するために、鍼師、マッサージセラピスト、整骨医に助けを求めることでハッキングしていたのです。
最初の目覚め
あれは1993年、数週間のタイでの滞在から東京に戻りたての時のことです。2月だったので、タイに行くときは寒さから暑さへ、帰ってくるときは暑さから寒さへと移動したのです。バンコクからエコノミーの夜行便で、機内は満席だったため真ん中の席でギュウギュウ詰めとなり、眠ることすらできなかったのを覚えています。
帰国直後から仕事があったため、寝ずに仕事に行き、金曜日であったため、そのまま夜は遊びに行き、早朝まで踊り続けることに。数時間の仮眠をとったうえで、土曜日は友達とのブランチに行き、午後にはジムで筋肥大トレーニングを行い、帰宅後に二十四式太極拳を。
その夜、またまた一晩中クラブで過ごし、翌日ちょっとだけ寝て、上級レベルのクラニオセイクラルセラピー・トレーニングを修了したての友人から招待され、夕食に行ったのです。
ディナーに到着した瞬間、友人は私を見て、大丈夫かどうかを尋ねてきました。私自身は特に気分が悪かったわけではないのですが、朦朧としていたことを覚えています。
「きっと大丈夫だと思う」という私の答えに、友人はクラニオセイクラルセラピー・セッションを与えたいと提案してきました。私自身は東京中の多くの素晴らしい整体クリニックでいくつかの混合整骨療法を体験していましたが、鍼灸以外でこれほど繊細なものにさらされたことはありませんでした。
セッション後に意識が戻ると(本当にそんな感じなのです)、体のすべての骨が積み重なっているような感覚になっていました。首と右肩甲骨の微かだけれども絶えることのない緊張がなくなり、腰がゆるみ、骨盤底がやわらかに緩んでいたのです。
チャレンジ
姿勢がよく、簡単にリラックスでき、うまく動きをコントロールできていると自分なりに思っていたのですが、セッションをとおし、緊張し、不器用で、体を把握できていない新たな自分の側面に気づくこととなりました。
その場で明らかになったセラピー効果とは別に、この体験は、自分自身の背骨、腰、上半身と、他の体の部位との関係を新たな方法で認識することを可能にしたのです。さらには、自分とは異なる意見をもつ人の考えを新しいアイディアのインスピレーションにし(これについては後で詳しく説明します)、人の声に注意深く耳を傾けるようになるという深い次元での変化が続いたのです。
これは啓発的でありながらもチャレンジングなものでした。自分のモチベーションに内省的な影響を与えることになる、自分の体について何か新しいことに気づいたのです。それでいて、自分の練習と、必然的には人生の方向性全体を再評価せざるを得なかったのです。それまで自分にとって良いものであると思っていたことが、変化するよう目覚めよと、憂鬱にも ゆすり起こされたのです。
セラピー
クラニオセイクラルセラピー(CST)は頭蓋骨の整骨療法から分派したものとして、John Upledgerによって70年代に発明されたものです。頭蓋骨の整骨療法とCSTの施術者はどちらも、脳脊髄液圧または動脈圧に起因する頭蓋骨の小さなリズミカルな動きがあると主張しています。
選択的で繊細で実践的なアプリケーションを使用して、頭蓋骨を操作して治療結果を達成することができるのです。
CSTが慢性的な状態や急性疾患に対処できることを立証する決定的な臨床研究はないものの、頭、脊椎、骨盤に加えられた繊細な動きに対する私の体の反応には何かしら意義深いものがあったのです。
数多くの鍼灸セッションをとおし同様の気づきにいたったものの、私の鍼師エドワード・オベイディ先生や他の作業療法士との体験とは異なるものでした。エドワード先生は著書で、日本の鍼灸技術がどう一人一人に適した結果とバランスをもたらすかについて深く掘り下げています。
エドワード先生とはセッションの前後最中に多くの会話をしましたが、彼は自分自身を、内部または外部の不均衡を自己調整できるようにするためのファシリテーターにすぎないと考えられていました。堅固な体質を維持するために必要なのは、自分の体の声にもっと注意深く耳を傾けることであると提案したのです。この彼のアドバイスは、人生における適応必要性について自分なりに発見し始めていたものと本当の意味で共鳴したのです。
再構築
これらすべての経験は、あらゆる肉体的練習に関連する厳しい身体運動を、移り変わる状況に適応できる より戦略的な取り組みに分解するよう動機づけたのです。
ここで言及している移り変わる状況とは、形態学的、環境的、心理的なものの組み合わせです。つまり、肉体のみを扱うという一次元的な物理的目標の議題だけではなかったということなのです。
私は気候、物理的環境(利用可能な空間と空間の美学)、睡眠、食事にますます敏感になりました。これはまた、身体的感情的な状態への影響と関係について考えさせるものにもなったのです。これらすべてを組み合わせることで、自分の取り組みをあらゆる練習にさらに適応し加減することができ、結果から多くを得ることができました。
覚えているかと思いますが、この記事の冒頭でタイ旅行について語りましたが、異なる気候/気圧と地理的なタイムゾーンを移動していたのです。休息も別の大きな要因です。また、同僚とのコミュニケーションにおける課題が、当初は明らかではなかったものの、潜在意識に重くのしかかっていたのです。よって、このような一連の状況から、私の習慣を調整し適応させることが、当時の私にとっては 自分の進歩と目標達成を持続させる より生産的で適切なものであると示唆していたのです。
これはまた、人生が一人一人の経験の時間軸を結びつける、ミクロのランダムな状況的イベントで埋め尽くされた流れであるという考えにつながります。
活発なライフスタイルの要求やプレッシャーに応じるべく、節度と加減適応の必要性を意識するために直感に頼るという意外な可能性とは無関係に、これらの指標は多くの場合、鈍くなっているというのが事実なのです。
軌道修正するためのハッキング
私含め、多くの人は行き詰まると、ワークアウト、マッサージ、鍼治療セッション、やけ食いなどをしたくてたまらなくなるのです。人によっては、タイレノールや他の医薬部外品、または処方された薬を服用することで、日々の健康とストレスのバランスに対処しようとするかもしれません。
最近の健康トレンドでは、異なる種類の断食、極端なダイエット、アイスバス、感覚遮断を行う長期瞑想リトリート、アヤワスカや他の向精神薬を服用、などといった、より強烈なものを求める傾向があります。
これらの取り組みのいくつかは価値があるかもしれないものの、私自身体験すると共に他の体験者を見て言えることは、乗り越えようとしているパターンそのものに逆戻りする逆効果もあるのです。そして、これらのかなり侵襲的な体験は、習慣変化をもたらすために私たちが思うほど必要ではないかもしれないのです。
自己調整
それでは、より高い意識レベルを育み維持するために、何ができるのでしょう?
私の人生において最もシンプルで、いつもすぐに頼ることができるのが、動きの練習に専念し順守しながらも、強度、節度、態度を変えていくということです。
これは主にBaseworksで育成するものです。肉体的に獲得できるものは二次的で、どの次元まで専念するかという度合いの副産物にすぎないのです。外からどう見えるかということよりも、練習に専念し継続することの方がはるかに大切であるため、私は進歩をあまり重要視しません。また、可能性を無理に叩き出す必要はないのです。
どのように練習に取り組むかが、どのような状況においてもリセットでき自足フィードバックツールを構築するためのコツなのです。秘訣は、人生のランダムさのなかで適切なものを再発見する能力を育むことです。
私のモーニングコールは、繊細で非侵襲的な低強度の動きにもとづき身体に働きかける取り組みを再調整するよう促したのです。
細かなミクロの動き
Baseworksでは、これらの動きを細かなミクロの動きと呼びます。これは私自身の日本における整骨医や鍼師とのセッションに大きく影響されています。
Baseworksでは、体性感覚の出力を高めるための較正ツールとして、細かなミクロの動きを練習の物理的次元に応用します。この応用は、あらゆる健康状態の ほぼすべての人が どこにいても効果的に練習することができるものなのです。
試してみよう
心地よく椅子に座ることができる方法をみつけてください(立っていてもいいです)。 腕を肩の高さまで横に持ち上げます。まずは腕を固定させましょう。肩を引き下げながら、指先を広げることで、しっかり固定させることが可能となります。 顎を引き下げながら、首の後ろを伸ばしていきましょう。頭頂部が上に引き上げられていると想像してみてください。かなりアクティブに活性化された感覚になるでしょう。 これに滑らかさを加えていきましょう。骨盤のうえで、骨盤から分離させるように肋骨で低振幅の円運動をしていきます。これを行うことで、背骨の真ん中と上部がどのように動員されるかを感じてください。 首の後ろを引き上げた状態で、やさしく頭を左右に動かし、首も動かし始めます。首の筋肉は活性化され肩帯は固定されているものの、首と背骨は滑らかな感覚になるはずです。
いつでも、どこでも
ここではBaseworksの活性化状態を全身に巡らすという、よりダイナミックな原則をBaseworksの細かな動きに組み合わせていったのです。とはいえ、頭を円を描くように ゆっくりと動かすことで、骨盤の上の肋骨と同じような動きを行うことができるのです。
これらの単純な動きの素晴らしいところは、労力がほとんどかからず、どこにいようと、どのような状況であっても実行できるということです。大切なのは根気強く続けることと、その日の状態によりよく適応できるよう、自分の状態を定期的に確認することに時間を注ぐということなのです。
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