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変化を受け入れることには、チャレンジが伴うものです。未知なるものへの恐れ、足元を揺るがすような不安感、激しさの中で自分の立ち位置を見失うような感覚。それでいて、熱心に勇気を振り絞って変化を探し求め、掴み取ろうとする瞬間もあったりするのです。固い殻から外に出て蝶へと完全変態するサナギのように。

 

変化の連鎖

わたしの人生を様変わりさせた変化の連鎖は、外資系広告業界における戦略プランナーという6年あまりのキャリアを手放し、今のわたしへと導いてくれたPara ImpactoBaseworksのパートナーになるという2007年に始まりました。当時の生活にとりわけ不満があったという訳ではなく、むしろ、どこかで何かが欠けているような、なんとなく満たされていない感覚があった、という方が的確かもしれません。本当の意味でワクワク生き生きできる経験に巡り合えていない、心の奥底の渇きのような。

Radiantly Alive主催のバリ短期滞在型ヨガティーチャートレーニングへの参加を決めたとき、大きくすべてが変わり始めたのでしょう。ジュース断食を組み込んだ総合的ローフード・プログラムに支えられ、練習と理論に完全に没頭する1ヶ月。肉体的練習と食事プログラムを通して身体に集中することで、練習の質感、何を食べるか、身の回りの環境や状況、人とのやりとりまでもが、身体だけに限らずマインドまでに影響していく様子を感じることができたのです。そうした過程の中で、それまでためらって経験してみようと決意できずにいた領域の、無限の選択肢や可能性が鮮明に見えてきたのです。

それまでのキャリアを離れ、人生を変える道に乗り出す決意自体は、ある意味、最も簡単な部分だったのかもしれません。とてつもなく解放感に溢れ、自律心と自主性を授けられたような実感にあふれた。実のところ、自分の中の変化や、身の周りの人や環境に反映された私の変化、そうした連鎖反応に取り組んでいくことの方が、決意よりも遥かに大変だったのです。変化は、違和感と居心地悪さを伴うものとして受け取られることが多々あります。なので、誰しも変化に対し、直感的に抵抗しようと固まったり、拒否反応がでたり、無関心を装ったりするのです。周りの人だけではなく、自分の中にもある、この身を守ろうとする動物的反応をどう乗り越えるかというチャレンジ。それでいて同時に、心地よい領域を越えた未開の地へと足を踏み入れるチャレンジングな試みに挑戦し、それを根気強く続けることで、変化に次第に慣れ、それが自分の一部となっていくプロセスは、果てしなくやりがいのあるものでした。

 

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理想的な実験空間

以来、多種多様なトレーニング・プログラム、コース、ワークショップのプロダクションとコーディネーションをアジアやヨーロッパにて行い、週末、1ヶ月の短期集中型から1年在住型までの様々な形式で開催し実施することに関わってきました。ある意味ティーチャートレーニングは、参加者が望むなら、変化を培養できる実験的な場として用いることができるものなのです。一つの領域に没頭し、理解を深め、他者とのやりとりを通して、自分の体験を分かち合うことができる、サポートシステムのある安全な環境。

我々のプログラムが変化を培養できる実験的な場として理想的なのは、まずは第一に身体そのものに働きかけることにあります。週50-60 Baseworks Practiceクラス、朝は6時台から夜は10時まで、週7日間にわたって提供されるスタジオの全面的サポートは、しっかりとした練習基盤を確実に育むことを可能にするのです。普段のライフスタイルを維持しながら、自分の生活の中に組み込んでいくことにより、長く続けられるものにしていく。「動くということは、変わるということ」であるため、定期的な練習を行うという単純でありきたりなことが、変化をもたらす完璧な土台となるのです。身体がどう解剖学的に機能するか、生体力学との関係での練習の背景、食と栄養がどう身体と状態に影響を与えるか、学んだ集大成をどう効果的に対話をとおしてプレゼンテーションしていくか、などの組み合わせは、参加者に自由に自らのポテンシャルを試し実験できる場を提供するのです。

 

未開の地への冒険

結局のところ、機会をつかみとって変化のきっかけにし、違和感あるものを自分の一部へと変容させていく試みに挑戦するか否かは、自分次第なのです。特に、選択肢があまりにも多すぎて、その領域も拡大している今日の社会では、時として、この圧倒的な選択肢と領域の凄さが、私たちを恐れさせ、未開の地へと冒険することを妨げてしまうのかもしれません。けれども私自身の個人的体験から言えることは、どこか心の奥底で満たされない空虚感を感じているのであれば、本当に生きている実感を味わうことができる新しい領域を探ってみることも、無駄ではないのです。いままで、ずっと求めていたけれども、挑んでみることがなかった世界を知る、素晴らしいきっかけになるかもしれません。

 

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写真クレジット: 中川研, パトリック・オアンシア

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